ひとこまの向こう側にて。

ひとこま絵日記を描いているアシダのブログ

沖縄離島ひとり旅 scene1 〜小慣れた旅人のように〜

関西国際空港

朝4時に起きる。今日から約1週間、沖縄の離島をめぐる1人旅が始まる。

新今宮でラピートに乗り、関空の第1ターミナルに着いた。
JALやANAのグランドホステスさん達がにこやかに出迎えてくれるが、私が乗るのは格安航空チケットのPeach。大阪から新石垣空港行き、Peach搭乗口は第2ターミナルらしいことが電光掲示板から分かった。

とりあえず、引き戻して駅を通り過ぎ、反対側の第2ターミナルへ歩いて向かう。しばらく第2ターミナルでウロウロしていたが、搭乗券の引換えができそうな場所が見当たらない。誰かに聞こうにも、さっきの第1ターミナルとは違って案内係の人が誰一人いないではないか。格安航空券でフライトするこちらターミナルでは、サービスもその分あっさりしているようだ。

格安フライトの民は第2ターミナルへ

結局、関空の駅改札まで引き返して窓口で確認したところ、ここからバスに乗って移動した先に第2ターミナルがあり、そこで搭乗券を発券できることが分かった。

それならそうと、どこか目に付く掲示板に大きく書いてといてくれませんか。
よく調べもせず安くフライトしようとしている私みたいな人に対して、ここの窓口の人達は幾度となく同じ質疑応答を繰り返してるんだろうな。それでも、さすが関西を代表する日本の窓口。係員さんは、にこやかに対応してくれた。

バスで15分ほど移動した先に第2ターミナルというものがあった。発券機の列に並ぶ乗客達は、みな映画館でチケットを発券するように手際よく長いレシートのような紙を出しては去っていく。私も、見よう見まねで発券して荷物を預けに行く。そう、小慣れた旅人のような足取りで。

荷物を預けるところで「モバイルバッテリーが中に入ってたら出せ」と係員の人に詰め寄られた。私は、後ろに並んでいる乗客の前でキャリーバックを開け、モバイルバッテリーを出して機内持ち込み用のリュックに入れ替える。横の中国人観光客も同じようなことをしている。もうこれで、私が旅の初心者であることがあっさりとバレてしまった。

ようやく機内に入る。ここに至るまで長い道のりだった。まだ旅が始まる前だというのに、えらく疲れたような気がする。日差しを気にしながら、窓側の席に着く。

飛行機の本気モード

朝の7時45分、機内アナウンスが始まり、飛行機がゆっくりと動き出す。
しばらく移動して、ポーンッという電子音が鳴り、飛行機が止まる。静かになった。
この、飛行機が本気を出す前の、このスタンバイの瞬間がたまらなく好き。

飛行機が助走を始め、徐々に自分の上半身が小刻みに揺れはじめ、振動音も大きくなり、窓から流れていく景色も早すぎて目で追えなくなる。
自分の感覚が、ついていけなくなる。

たちまち、ふわっと浮いた。
さっきまで騒がしかった飛行機もやや落ち着き、窓から見える翼の先は、斜め上方向に向かって飛んでいる。

フリーランスになる前に

2019年、7月末で4年4ヶ月務めた大阪のWeb制作会社を退職し、8月からフリーランスのデザイナーとして働くことにした。私もまたどこかへ飛び立とうとしていて、その先はまだ知らない世界。不安もあるけれど、それ以上にドキドキワクワクする。

ただ、フリーランスとして始動する前に、少しだけ、ほんの少しだけでいいから休憩したい。飽きるほどに沖縄の海を眺め、吐き気がするほど星空を眺め、「もう飽きた!早く大阪戻って仕事したい!」って思えるほど、何も考えずにのんびりしてみたい。そうなるまで、たぶん1週間くらいあれば十分かと思う。
まずは、ガッチガチに硬く締まった私のネジを、沖縄の自然にゆるめてもらいたいのだ。

ソフトクリームの向こうがわ

9時30分を過ぎた頃に着陸アナウンスが流れはじめた。大阪から石垣島は、意外に早いものだな。

飛行機がどんどん下降していくのが分かる。 飛行機の窓から見える入道雲はソフトクリームの形と似ていて、うっすらとした虹を10個ほど見つけた。 空に浮かぶ巨大なソフトクリームの隙間から、キラキラ光る青い海が時折見える。まるで、別世界にいるようだった。

ソフトクリームの間を抜けると青い海が広がり、エメラルドに淵取られた島が見えはじめた。

「現在、石垣島の天気は晴れ。気温29度。」
CAさんの機内アナウンスにホッとする。

そして、アナウンスは「本日もご搭乗いただきまして、ほんま、まいどおおきに。」と、ナチュラルな発音でシメの言葉を機内に残していった。
妙に余韻が残る。良い旅になりそうな気がした。

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